イスラエル・ハイファにあるヘクト博物館で、男の子が展示物のつぼを誤って落としてしまいました。両親が事態を申し出ると、博物館は賠償を求めずに …… 。

イスラエル・ハイファにある考古学博物館で、少なくとも3500年前のつぼを、来館していた4歳の男の子が誤って割ってしまいました 。

BBCによると、破損したのはヘクト博物館が展示する、紀元前2200~1500年の青銅器時代のつぼ 。

ベッドに横たわり眠っている人。背景には広い窓と観葉植物が見える室内。

同館には、「障害物がない状態」で展示物を間近に観察できる環境を重要視する伝統があり、展示物の周囲にガラス壁などを設置していませんでした 。

Boy by chance smash 3,500 - yr - old shock on museum visithttps://t.co/aN6yCDin25

8月中旬、博物館を訪れたアレックスさんとアンナ・ゲラーさん夫婦 。

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つぼが割れる音を耳にした時、「どうかうちの子が割ったのではありませんようにと願った」とAP通信に語ります 。

「 恥ずかしかったです … … 。息子は『中に何が入っているのか見たかっただけ』と言っていました」とアンナさん 。

アレックスさんはガーディアン紙の取材に対し、こう振り返りました 。

画像には、@mostly_cheeseというユーザーのツイートが表示されています。ツイートの内容は「5歳の双子がアルファベットの歌を間違って歌っていると教えてくれた。新しい教師のバージョンは、ABCDEFG / HIJKLMN / OPQ / RST / UVW / XYZ と分かれている。RIP LMNOP」と書かれています。テキストの下には、女性が話している画像が表示されています。

「 息子がつぼを引っ張って、それでつぼがひっくり返って落ちてしまったようです 」

「 最初はショックでした。その後、息子に少し怒りを覚えました 」

男の子は動揺し、泣いてしまったそう。ところが両親が事態を申し出ると、博物館は賠償を求めるどころか、プライベートツアーに一家を招待したのです 。

空港の滑走路にいる2匹の蛇が互いに絡み合っている様子。

後日、ゲラー家は、ヘクト博物館を再訪。男の子はどこかバツが悪そうですが、学芸員の話を真剣に聞いています 。

プライベートツアーに招待されたゲラー家

イスラエルのニュースサイトYnetに、館長は「つぼは修復して元の場所に戻す」予定だと語りました 。

誰かによって手書きされた「But every body has to die some day」というメッセージと簡単な絵が描かれているノートのページ。

「 博物館は霊びょうではなく、家族のために開かれた、生きた場所です。『怖がらないで』と親御さんたちに伝えたい。こんなこともあります 」

「 展示品が故意に破壊されるケースもあり、そのような場合は警察に関与してもらって厳重に対処します。ですが、今回は美術館を訪れた幼い子どもが誤って破損してしまったので、状況が違います 」

同館は今後も、仕切りのない展示を続けるそうです 。

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