屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症し、治療を受けなければ、場合によっては死亡することもある熱中症。症状や予防、応急処置などを紹介します 。

梅雨明けに伴って日本列島を猛烈な暑さが覆っています。7月22日、山梨県甲州市では最高気温39.6度、同県甲府市では39.4度、栃木県佐野市では39.1度を記録。東京(東京都千代田区)では今年最高となる36.6度を正午すぎに観測しました。環境省はこの日、熱中症警戒アラートを北海道と東北地方を除く広く地域に発表。暑さから身を守ることを訴えています。熱中症は予防が肝心です。気温が高くなりそうな日は注意をし、熱中症の症状が出てしまった時は適切な応急処置をしましょう。改めて、症状や予防、応急処置などを紹介します 。

「 熱中症」とは高温多湿な環境に長くいることで、体内の水分や塩分のバランスが崩れて体温の調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもったりした状態を指します。立ちくらみや筋肉の硬直(こむら返り)が起きたり、重度になると意識障害や全身のけいれんといった症状に至ったりします。屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症し、治療を受けなければ、場合によっては死亡することもあります。甘く見てはいけません。労働安全総合研究所は「熱中症は、きちんと対策を行い、適切な処置を行えば必ず防止、あるいは軽症で済ますことができる。その一方で対策を怠ったり、適切な処置を行わなければ現代の最新医療でも救えない、非常に重篤な災害となりうる」と警告しています 。

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屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症し、治療を受けなければ、場合によっては死亡することもある熱中症。症状や予防、応急処置などを紹介します。

その症状、熱中症かも?

対策の基本

特に注意が必要なのは、子どもと高齢者

子どもはまだ、体温の調整機能が十分に発達していません。そして身長が低いため、地面からの輻射熱の影響をより強く受けることになります。子どもの様子に注意を払う必要があります。もちろん、自動車の車内に子どもを残すようなことは厳禁です。真夏でなくても、締め切った車内の気温は急上昇するからです。そして、熱中症のおよそ半数は65歳以上です。高齢者は暑さや水分不足に対する感覚や、体温の調節機能が低下しています。それだけに、のどが渇いたと感じていなくても水分を取るといった先手を打った行動が大切になります 。

家の中でも要注意!

熱中症は、屋外で起きるだけではありません。気温と湿度が高い時は、屋内でも十分な注意が必要なのです。特に体温調節機能が弱い小さい子どもや高齢者、病人がいる家庭では、冷房の使用を我慢しすぎず適切に利用することが大切です。東京都医師会は居室内で窓が開いている場合でも無風状態の場合、またエアコンや扇風機などを使っていなかった場合、30分以上いれば熱中症になることがある、と注意を呼びかけています。また、新型コロナの感染拡大対策として室内を換気することも重要です。窓を開けたりすると室温が上がるため、エアコンをこまめに調整しましょう 。

災害時や停電の時は

停電となった時は窓をできる限り開けて風通しを良くし、こまめに水分と塩分を補給することが大切です。水道が機能している場合は、濡れたタオルで身体を拭いたりして体を冷やすのも有効です。可能であればすだれやよしずを使ったり打ち水をしたりして、室温をこまめに確認しましょう。災害で避難所などの生活を余儀なくされた時、家の片付けや復旧作業をする際は、直射日光を避け、十分な水分と休憩を取ったうえで、めまいや立ちくらみなど熱中症の症状に注意することが必要です 。

「おかしい」と思った時は

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エアコンとリモコンのイメージ写真(Getty Images/iStockphoto)

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