【天空の城ラピュタ】若き日のドーラが5秒間だけ登場するって知ってた？確かにシータそっくり

「宮崎駿監督の母親がモデル」と伝えられる空中海賊の首領ドーラ。その知られざるトリビアに迫ります。

宮崎駿監督が手掛けた不朽の名作『天空の城ラピュタ』が日テレ系の金曜ロードショーで8月30日午後9時から放送。空から降ってきた不思議な少女シータと、彼女を助けた少年パズーの冒険活劇。1986年に上映されて以降、幅広い世代から愛され続けています。「ラピュタ」といえば、空中海賊団の首領「ドーラ」のパワフルなキャラクターが印象的。この記事ではドーラにまつわる知られざるトリビアをご紹介します。

ドーラは「あたしの若い頃にそっくりだよ」とシータについて語っていた

ドーラは、作中でシータについて「あたしの若い頃にそっくりだよ」と話しました。これを聞いた息子のルイも「ママのようになるの？あの子」と、あまりのギャップに驚きを隠せません。ルイでなくても信じがたい話ですが、実は本当なんです。ドーラ一家の根城である飛行船「タイガーモス号」の船長室（ドーラの私室）を写したわずか5秒ほどのシーン。ドーラがシータの着替えを取りにいった場面ですが、部屋の壁を良く見ると「若き日のドーラ」の肖像写真が飾ってあるのです。

金曜ロードーショーの公式SNSが「あながち嘘ではないのかも？」と画像を投稿

金曜ロードショーで2019年8月に「ラピュタ」を放送した際、同番組の公式X（@kinro_ntv）が、まさにそのシーンを画像投稿しました。「シータのことを『あたしの若い頃にそっくり』と言っていますが、あながち嘘ではないのかもしれませんね！？」こんなメッセージともに画像が投稿されると、2万7000件以上の「いいね」がつくなど大きな反響を呼びました。腰に手をあてた海賊姿の少女。髪を2本に束ね、腰に銃を携帯する姿は確かにドーラっぽいですが、顔つきは確かにシータそっくりです。

部屋の壁に、#ドーラの若い頃の肖像が飾ってあるのに気づきましたか？#シータのことを「あたしの若い頃にそっくり」と言っていますが、あながち嘘ではないのかもしれませんね⁉️#ラピュタ#天空の城ラピュタ#パズーpic.twitter.com / KYzQSXxkl8

2021年には「18才のドーラ」がフィギュア化

「若き日のドーラ」に関する投稿への反響が大きかったことも影響したのかもしれません。『天空の城ラピュタ』上映35周年にあたる2021年には「18才のドーラ」としてフィギュア化が発表されました。完全受注生産として予約販売されたもので当時、ジブリグッズを扱う「どんぐり共和国」の公式Instgramで紹介されていました。精悍な表情がとても魅力的ですね！

ドーラの初期設定を宮崎監督が明かす「ダメな息子は蹴飛ばすし、見込みがあると思ったら力になってくれるという母」

ドーラのキャラクターは、どこから生まれたのでしょう。宮崎監督自身は『ジブリの教科書2 　天空の城ラピュタ』（文春ジブリ文庫）の中で、ドーラの初期設定について以下のように振りかえっています。＜今まで父親はずいぶんと出してきたんですが、母親は初めて出したんです。母親といっても温かくて優しいおかあさんというイメージではなくて、ダメな息子は蹴飛ばすし、見込みがあると思ったら力になってくれるという母です＞＜口やかましくてうるさいですが、子どもが心意気に燃えているのをみると『坊や、しっかりやんな』と思ってるような大人を出したかったんです＞

ドーラのモデルは宮崎監督の母親だった？

宮崎さん自身の発言は見当たりませんが、実はドーラのモデルは宮崎監督の母親だったと言われています。月刊「アニメージュ」1985年12月号（徳間書店）は、上映直前の「ラピュタ」特集をしています。表紙を飾ったのはドーラ。その理由について特集記事では以下のように書かれていました。＜今月号の表紙を見て、編集長は叫んだ。「シータがいないぞ、主役はバアさんか！？＞＜そうです。海賊にして母、物欲と食欲の人・ドーラこそ宮崎さんの思い入れの一番深い人。なにしろ宮崎さんのお母さんがモデルなのだから＞＜子どものころは「兄弟男ばかり4人そろってもおふくろにはたちうちできなかった」そうです＞これ以外にも、宮崎監督の肉親による証言があります。『映画天空の城ラピュタGUIDE BOOK復刻版』（徳間書店）で、弟の宮崎至郎さんが母親について回想する中で、以下のように書かれていました。＜『ラピュタ』に登場する女海賊ドーラを連想してくれるといい。病気がちだったので、あの肉体的活発さはなかったし、もう少し美人だったと信じたいが、精神的迫力はまさにドーラに通ずるものがあった＞宮崎監督のお母さんは、結核菌が脊椎に入って起こる「脊椎カリエス」にかかり、9年間も病床にあったそうです。そのような中でも、ドーラに通じる「精神的迫力」があったとは！宮崎監督は当時、6歳から15歳の多感な時期。寂しい思いもしたはずです。宮崎監督のお母さんは「ラピュタ」公開3年前の1983年に亡くなっていますが、亡きお母さんへの追憶をドーラに込めたのかもしれませんね。