7月26日の金曜ロードショーで放送される 『 トイ・ストーリー』。記念すべきシリーズ第1作の知られざるトリビアをお届けしましょう 。
7月26日の金曜ロードショーは『トイ・ストーリー』。日本テレビ系で午後9時から放送されます。ディズニーとピクサーの手による世界初の長編フルCGアニメーション。日本では1996年に上映された記念すべき第1作となります。カウボーイ人形のウッディと宇宙ヒーローのアクションフィギュア、バズ・ライトイヤーを中心としたおもちゃたちの大冒険が生き生きと描かれています。その発想の源が、日本のある博物館でした。この記事では『トイ・ストーリー』の知られざるトリビアをお届けします 。
ウッディもバズも「ブリキのおもちゃ博物館」の人形がヒントになっていた
テレビ東京の長寿番組『開運!なんでも鑑定団』への出演でも知られる北原照久さん。世界的なおもちゃコレクターとして有名で、1986年には横浜市内に個人コレクションを展示する「ブリキのおもちゃ博物館」を開設。自ら館長を務めています。実は『トイ・ストーリー』を手掛けたジョン・ラセター監督は、作品の制作前にこの「ブリキのおもちゃ博物館」を訪れていました。そこで「おもちゃが生きていた」ように感じたことが映画作りの着想を得たそうです。ウッディやバズといったキャラクターも同博物館に飾られていたブリキの人形がヒントになりました。そんな知られざる経緯が明かされているのが、北原さんの著書『みんな、おもちゃが好きだった ビートルズもローリングストーンズも』(扶桑社)です 。
ラセター監督が大歓喜した思わぬプレゼントとは?
この本には以下のような記述があります。<もともとおもちゃ好きだったジョン・ラセターが、僕のことを知ったのは海外で出版されている僕のおもちゃコレクションの本を見たのがきっかけだったそうだが、立ち寄った僕の「ブリキのおもちゃ博物館」で映画作りのヒントを得た彼は、製作にとりかかる前に、日本に何度かやって来て「ブリキのおもちゃ博物館」に足を運んでいたのだという。何かの雑誌のインタビューで、そう話しているのを読んで、「エッ!?来てたんだ」と初めて知った。>北原さんによると、ラセター監督は博物館のおもちゃの前に立ち止まって、絵コンテなども描いていたらしいのですが、スタッフの誰も映画監督だとは気づかなかったのだそうです。『トイ・ストーリー』が完成して世界的な大ヒット作になる中で、ラセター監督は再来日。北原さんと正式なあいさつを交わすことになりました。前述の本によると2人はこんなやり取りをしたそうです。北原さん「僕の博物館まではるばる来ていただいていたのに、気がつかなくて申し訳ありませんでした」ラセター監督「いえ、いえ。あなたのおもちゃ博物館は、想像していたよりはるかに素晴らしく、訪れるたびに時間も忘れて感動していました。なぜならば、おもちゃたちが親しげに話しかけてくるんです。まるでみんな生きているようでした」お茶とケーキでもてなす中で、北原さんはラセター監督に一つの箱を差し出しました。中に入っていたのは、『トイ・ストーリー』に登場したスリンキードッグ(体がびよよーんと伸びる犬のおもちゃ)のモデルとなった日本のブリキ製のおもちゃでした。昭和30年代のもので、アメリカでは入手困難になっていました。ラセター監督は思わぬプレゼントに「どんなに探しても、なかったんだ!」と大喜び。北原さんは「目を丸くした顔と、うれしそうに箱を抱えていたジョン・ラセターの笑顔が今でも忘れられない」と振り返っています 。
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